拝啓 夢追い人の君へ
27歳の深澤辰哉くんへ。
私は、去年の今日、貴方へのメッセージでこう言いました。
「願い続けた夢が叶うことを教えてくれてありがとう」と言えますように、と。
叶ったね。ほんとうにありがとう。願い続けて、走り続けた夢が叶うことは、いつだって貴方が教えてくれました。
あの日あの瞬間、止まらない震えで必死に握った双眼鏡の、涙でぼやけた視界の先で、何かを確かめるように貴方は小さくガッツポーズをしました。
私は、奇麗な花束を両手いっぱいで抱えて微笑んだ貴方の横顔にまた恋に落ちました。
きっと貴方と出会えたことはかけがえのない奇跡で、貴方は私の人生最大にして最高の恋です。
カレンダーの最後、「あなたにとってファンとは?」の質問。他のメンバーのらしさにくすっとしながら、なぜか私は深澤くんのコメントを見る勇気が出ませんでした。
私は、自分の存在が、深澤くんの足枷になることが怖くて、どんなに好きでも出来ることに限りがある自分が悔しくて、特に去年の上半期、いっぱい悩みました。きっと私が願うことや思うことは、深澤くんにとっての負担になるんじゃないか。私は、ただただ貴方に笑っていて欲しいだけです。だって貴方は笑顔の魔法使いで、でもそれ以上に貴方に幸せだと思っていて欲しいから。そう思えば思う程いろんなことが許せなくて、でもそんなことを言えるわけはないので結局静かに見守ることしか出来なくて。自分のふがいなさが情けなかったり、自分の感情も許せなかったり、こんな自分が深澤くんにとって「なにか」になってしまうことすら怖かったんです。
今の今まで僕がこの場所にいつづける理由であってくれた。
丁寧に紡がれた言葉一つがそんなこと全部吹き飛ばして、今この瞬間も私が君に恋する理由です。
初めて深澤くんを知ったその時は、こんなにも愛の深い人だと思わなかった。深澤くんは、きっと誰よりも優しくて、それでいて自分が大切にしたいと思うもの全てをきっと愛してしまう人なんだと思う。こんな少しの間しか貴方を応援出来なかった私でも、何度深澤くんの愛に助けられたか分からない。
紫色のペンライトを見ると嬉しそうに少し下がる目尻と、ちょっとあらわれる可愛い笑い皺、ちょっとだけはやくなる手の振り方。これ深澤担なら分かってくれるんじゃないかなって思うの、深澤くんって実はすっごく自分のファンに甘いよね。
今年一年も、貴方は私の魔法使いで、それでいて世界で一番好きな人でした。
28歳になった深澤くんへ。
人は、人生で何度自分の見た夢を叶えられるものなんだろうね。
そんなことは、私は知らないし、知るつもりもないのだけど。
夢を追わない人ほどその答えを求めるのかもしれないね。
ずっとずっと叶えたくて叶えたくて仕方のなかった、到底簡単には叶わない夢を叶えた君が、次会ったその日には新しい夢を口にするのを聞いて、まぶしくて仕方なくて、心臓が震えました。
貴方が夢を追うその背中は、私の希望で、未来で、「夢そのもの」です。
まだ誰も歩いてない未知にも、迷わず足跡をつけて、あるようでない様な道だって歩いていける、そんな貴方の未来に、多くの幸せと笑顔がありますように。
どうかその道なき道を振り返った時に多くの幸せと絶え間ない笑顔がありますように。
今年もそんなことを願うことしか出来ない私だけど、それでも、今日この日もまた君の幸せを願えることが幸せです。
私の夢は、貴方が大きな大きな「デビュー」という夢を叶える瞬間を見届けることで、それは貴方が本当に叶えてくれました。
今の私の夢は、一つでも多く貴方の夢が叶うこと。一面紫色の光の真ん中で歌う貴方をもう一度見ること。そして、いつかどんな先になるか分からないけど貴方が望む形でマイクをおろし、ステージを降りるその時に、この気持ちに蓋をすることです。
紫色のペンライトは、電池の消費が早くって、気がついたら色の区別がつかなくなっちゃう。
けど、それでも、いつからか貴方が好きだって言ってくれるその色が、貴方がステージに立った時の笑顔や元気だったり、貴方がステージに立つための力だったり勇気になるなら、私は何度だってその淡い紫色のペンライトがちゃんと光るように握りしめて貴方に会いに行くし、これから未来に希望いっぱいの貴方のステージを照らしていたいと思います。
今年も沢山の伝えきれないありがとうでいっぱいでした。
でもやっぱり何度でも言わせてね、私と出会ってくれてありがとう。
夢を追い続ける貴方の、新しい一年が、実り多く幸せな一年でありますように。
お誕生日おめでとう。愛を込めて。